[1] モーメント母関数による期待値と分散
モーメント母関数の一階微分は、
また、
(1),(2)よりのとき、の期待値は、
モーメント母関数のニ階微分は、
同じくとおくと
の分散は、
[2]モーメント母関数による期待値と分散(二項分布)
試行回数、成功確率の二項分布の確率密度関数は、
モーメント母関数は、
最後の等号は二項定理を用いた。[1]と同様に一階微分は、
なので期待値は、
また二階微分は、
なので分散は、
別解:二項分布の再生性
(7)のとき、は独立に二項分布に従うとする。このときであり、モーメント母関数は、
なので
(9)~(12)と同様に期待値と分散を求める。
[3] チェビシェフの不等式(離散型確率変数の場合)
において、モーメント母関数を、密度関数の積分区間を区切って表す。
[4] 確率密度関数の最小値
[2][3]より、においてとすると、
(14)の右辺をとおき、一階微分を行うと、
したがってのときとなり、は最小値をとる。
ちなみに
となるでを満たす。モーメント母関数にを代入すると、
(14),(19)より、
証明終わり。
別解:密度関数の対数微分
の対数をとって微分し、最小値を取るtを求めてもよい。