Goodな生活

経済学修士→環境コンサル→データサイエンス

読書

2020年に読んだ21冊

2020年に読んだ本の紹介です。読んだ本、の定義ですが、全ページの8割以上に目を通した本とします。ですので辞書的に使った本や、すぐに読むのを止めた本は除外します。冊数については、上下巻やシリーズものはまとめて1冊とカウントしました。それでは早速…

『原点 THE ORIGIN』一人の作家に語られる全共闘のリアル

原点 THE ORIGIN作者:安彦 良和,斉藤 光政岩波書店Amazonガンダムの背景にある思想はどんなものだろう、ぐらいの軽い気持ちで読み始めた。特に当事者の視点から語られる全共闘運動の実態、そして漫画家とアニメの表現方法の間で揺れる葛藤が印象が残った。 …

『惜別』偽善を勘で見抜く力こそが教養

惜別 (新潮文庫)作者:治, 太宰新潮社Amazon これまで知らなかった太宰 巻末の解説を読むと「昭和18年(1943年)内閣情報局と文学報国会の委嘱に応えて書いた国策小説」とある。太宰治はこれまで「走れメロス」や「人間失格」ぐらいしか読んだことがない。特…

『実力も運のうち 能力主義は正義か?』能力主義の根底にあるプロテスタンティズム

実力も運のうち 能力主義は正義か?作者:マイケル サンデル早川書房Amazon今年発売されたマイケル・サンデル教授の新書。原題は『Tyranny of Merit』、メリット(業績、功績、能力)による専制政治。邦題にある能力主義(メリトクラシー)とは生まれや身分で…

『知的生活の方法』読書"道"を極める人のために

大学生時に一度読んだことがあるのだが、当時は研究者の卵に向けて書かれたハウツー本という印象だった。しかし今回、改めて読んでみると、本書は読書”道”を究めた著者による入門書ではないかと思えた。道というのは、思想と作法の両方の要素を含む、という…

『小林・益川理論の証明 陰の主役Bファクトリーの腕力』

今年4月、著者の立花隆氏の訃報が流れた。ちょうどそのタイミングで先輩に勧めていただいた本である。本書は2008年ノーベル物理学賞を受賞した小林・益川両教授の提唱したクォーク*1の理論の証明のプロセスを追ったドキュメンタリー。証明の主役は、つくば市…

必要なのは自由ではなく制約ではないか『自由からの逃走』

個人の不安を取り除くためのプロテスタンティズム 中世社会には個人的な自由はなかった。階級や地理的な移動の機会はなく、職人や百姓は一定の場所、一定の価格で生産物を売る。ギルドの構成員は排他的な経済活動を行う。社会階層との結びつきの強い社会だっ…

冗談に溢れた人生とは

最近、「冗談」という言葉がタイトルに入っている2冊の本を読んだ。1冊目は物理学者リチャード・ファインマンの自伝『ご冗談でしょう、ファインマンさん』。2冊目は元PLAYBOY編集長島地勝彦の『人生は冗談の連続である』。どちらも含蓄に富む素晴らしい本だ…

『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』

沖縄から貧困がなくならない本当の理由 (光文社新書)作者:樋口 耕太郎光文社Amazon 自尊心のなさこそが、沖縄が貧しい根本の原因であると、筆者は繰り返す。沖縄の貧困の理由を、県内の1次、2次産業比率の低さ、補助金への依存等の経済・社会構造ではなく、…

『キム・フィルビー』誰からも信用されながら誰も信用しなかった男

『KGBの男』に続き、同著者ベン・マッキンタイアーの『キム・フィルビー』を読んだ。英国MI6の一員であり、冷戦下ではMI6ワシントン支局長まで勤めたものの、長年にわたりソビエトのスパイだったことが明らかになった、キム・フィルビーのドキュメンタリーで…

沖縄の軍用地をどう捉えるか『沖縄現代史』『沖縄問題』

那覇市街に並ぶ軍用地の看板 昨年沖縄を訪れた際、初めて「軍用地」というものの存在を知った。那覇空港から那覇市街に向かう道路の脇に、軍用地取引の看板がいくつも並んでいた。それ以来、Yahooニュース等でも軍用地の話題を目にする度に一度勉強してみた…

【東京湾から600km】2泊3日で鳥島とアホウドリを見に行く

鳥島に行く 鳥島クルーズの特徴 わずか40分のため 11匹のねこが向かったのは 日本の国土を再発見する 参考 鳥島に行く 「鳥島を見に行くツアーがある」と聞いてすぐ思い出したのは『漂流の島』という本だった。鳥島は東京から南に約600kmに位置する無人島で…

『KGBの男』共産主義と自由主義の世界を行き来する

東西冷戦時代に実在した、旧ソビエトの諜報機関KGBのスパイ、オレーク・ゴルジエフスキーの実話。KGBのスパイでありながら、母国の共産主義体制のあり方に疑問を持ち、英国MI6の二重スパイとなる。このドキュメンタリーは、一人のスパイの人生を通し、我々は…