Goodな生活

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Estimand, Eatimator, Estimatesの違い

はじめに

統計学計量経済学の文献ではおなじみの、Estimand, Estimator, Estimatesの違いについてのメモです。

Estimandとは

例えば、「コロナ禍によって企業の経営状況は悪化するのか」という問題を考えるとします。コロナ禍(休業要請等による製品やサービス需要の低下)という原因と、経営が悪化するという結果との因果関係を明らかにするためには、コロナ禍以外の要因による経営状況への影響ではなく、コロナ禍が経営状況に与えた影響を把握する必要があります。この問題を、目標とする推定対象(Target Estimand)と呼ばれる統計量に変換します。目標とする推定対象、または目標とするパラメータ(Target Parametor)は、この問題を統計的に表現したものです。例えば、推定対象は、「休業要請があった場合の売上の平均値」から「休業要請がなかった場合の売上の平均値」を差し引いたもの、と定義することができます。この推定対象の定義は、潜在結果(Potential Outcome)の考え方によるものです。潜在結果は、休業要請があった場合の売上、そして休業要請がなかった場合の売上の2種類がありますが、同一の企業についてどちらか一方しか観察することができません。つまり潜在的には2種類の結果が存在するという考え方です。推定対象そのものは観察できないことが往々にしてあります。推定対象の値を観察データを使って導出するアルゴリズムのことを推定量(Estimator)と呼びます。

Estimand, Estimator, Estimatesの違い

単回帰の例を用いて、3つの統計量の違いをまとめます。

用語 意味 OLSにおける表現
Estimand 推定対象 関心をもつ統計量(本当に知りたいもの) β
Estimator 定量 観察データからEstimandを導出するためのアルゴリズム \hat{β}
Estimates 推定値 観察データを所与としたEstimatorの出力値 \hat{β}の値そのもの