Goodな生活

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ファラデー『ロウソクの科学』


国立科学博物館で、日本人のノーベル賞受賞者の吉野彰さんが幼少の時に影響を受けた本として紹介されており、気になって購入したもの。ロウソクを題材に、物質の燃焼反応について著者が英国の王立研究所で行った講演内容が元になっている。文字と挿絵だけだとなかなかイメージしづらい箇所もあるが、この本の実験がYouTubeで解説されているので、それも併せて見ると理解が深まる。大人になってから高校時代に興味の持てなかった化学が面白いと思えることが嬉しい。

  • 水の電気分解は綺麗に水素と酸素が堆積2:1で生じ、前者は小さな音を立てて爆発し、後者は燃焼を推進する。水素は水蒸気と違って、温度が変わっても凝縮せず、軽いので上に移動する。
  • 酸素は空気中に21%しかなく、大半は反応性の薄い窒素であるが、これががないと大気中の酸素を安全に使用できなかった。
  • チョーク、貝殻、さんご、大理石はこの炭酸(二酸化炭素)を大量に含んでいるので、ブラック博士はこれを固定空気(fixed air)と呼びました。その物質が気体としての役割を失い、固体の様子を示すので固定されたと呼んだのです。
  • 1825年には照明用ガスに含まれていて、比較的不揮発性で、冬季にガス管を詰まらせる原因になっていた物質を単離し、その組成式を決め、炭素と水素の新化合物についてという論文にまとめた。この化合物こそがベンゼンである。

やっぱり自分は文章や図表から原理を理解するのが得意ではない。目で見えないものを理解するのがストレスで、逆に言うと自分の目で見えるものしか信じられない気がする。人よりも効率が悪いかもしれないが、現物を見ずして、体験せずして、何かを知ることはできない。文章や図表はあくまで記憶のために加工された記号であり、抽象化された後のもの。自分の経験は自分だけのもの。借り物の言葉では深いところまで到達できない。

昨年度読んだ「福翁自伝」や「花神」では幕末の塾生がオランダ語の文献を翻訳して、科学を知ろうとしていた。ほとんどの塾生が実際にはオランダには行けない。想像上の国の学問を知る営みは雲を掴むようなものだったのではないか。今の自分にはそれは耐えられない。テキストを捨て、飛行機に乗った方が良いと思ってしまう。