Youtubeで紹介されており気になって積まれていた本。以前タイ・チェンライのシンハーパークを訪れた際、園内にバナナ農園もあった。そばを通り過ぎると生ぬるい風がまとわりつくような、まるでバナナの木が呼吸をしているような感じを覚えた。
1バナナはどこから?
- バナナに四季の別がないことは熱帯では天恵だった。カッサバ、タロイモ、ヤムイモなど根菜類と共に、いつでも主食の代用とすることができたからである
- 性急にいえば、バナナはアメリカ資本の手によって変わってしまったのだ。現地の人々は、自分たちが食べない作物を栽培しているのである
- ミンダナオはフィリピンの中でも特殊な土地柄だ。(中略)ミンダナオのムスリムは逆にクリスチャンに対する抵抗を示すために、あえてその蔑称を選び自らモロ族を自称するようになった。カトリックに教化したクリスチャンフィリピノの中央政府に今でも容易に服従しようとしない
- バナナ農園を支配する四社のうち、三社は米国資本である。(中略)この交換関係で最大の恩恵を受けているのは、実は米国企業の株主たちである
2植民地ミンダナオで
- アメリカ人の最初の進出者は退役軍人である。
3ダバオ麻農園の姿
- なお、タガログ語に語源を持ちいまや国際的にも通用するようになった「アバカ麻」は、バショウ科の麻で、「マニラ麻」はその別称である
- アメリカでのアバカ麻の最大用途は船のロープである。だからアバカ麻の市況は戦争景気で高騰した
- セーレムの貿易博物館には日本刀や人形や鯨とりのもりが麻ロープと共に雑然と並んでいる
- (ヒトラーのユダヤ人圧殺政策による)50万人のユダヤ政治亡命者の処遇に頭を悩ませたルーズベルト大統領は、ユダヤ人二人をフィリピンに派遣し、ドイツ系とオーストリア系ユダヤ人の一万人の入植を交渉させている。
8日本へ、そして食卓へ
- 地場バナナのラカタン種をフィリピン人が食べるときだって、完熟一歩手前で取って一日くらい置いてから食べる方がうまいんです。思うにバナナが木の上で完熟したときには、もう次の世代に生命は移ってしまうんでしょうね
9つくる人々を思いながら
- マラヤの建国神話『スジャラ・ムラユ』には、シンガポールがワニの大群に襲われたとき、バナナの幹を海岸に並べて大軍に見せかけ、襲撃を防いだという話が載っている。事実、太平洋戦争が迫ったとき、英軍はこの戦法を採用して、マラヤ半島東岸では、バナナの幹を黒く塗ったニセの砲台を築いた、という。
