Goodな生活

経済学→環境コンサル→データサイエンティスト

『三流シェフ』

四谷のオテル・ドゥ・ミクニが閉店すると聞き、同じタイミングで本屋でこの本を見つけた。ちょうど2年前にお店に行って、1階のバーで食前酒を飲んだ。行っておいてよかった。改めて三國シェフの経歴を知って楽しむことができた。

経歴やキャリア形成の話として様々な示唆があるのは間違いない。しかし一緒に働くスタッフには相当なストレスがかかっているのだろう。簡単に想像がつく。スポンタネ(即興)が得意とは聞こえがよいが、厨房でシェフの意図を察知し、空気を読みながら仕事をするなど本当に大変だと思う。これはどの業界に限った話ではなく、一人の天才が0からモノを作り出す工程に伴う苦しみ、不機嫌、ストレスは避けられないのかもしれない。

あとはオリジナリティについて。仕事がどんなにできるか、ではなく、その人にしか作れないものを提供できるか。この方ほど型破りではないかもしれないが、自分の目標とする先輩たちは会社員と研究者を両立し、独自の働き方を切り開いていっているように見える。裏を返せば決まったルートの上を出世するような人に憧れをもっていないということかもしれない。自分もいい加減、そこに踏み出すべきだと思う。もっと行動しなければと気づかされる