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「フォーリン・アフェアーズ・リポート」に地政学と気候変動の最新動向を読む

2021年の8月号から月刊誌「フォーリン・アフェアーズ・リポート」を年間購読を開始しました。この雑誌は米外交問題評議会(CFR)が発行する国際政治経済ジャーナル「Foreign Affairs」の日本語版です。中身は大学教授やシンクタンクの職員による国際情勢、国際政治に関するもので、ハンチントンの「文明の衝突」(まだ読んでいない)も元々はフォーリンアフェアーズの記事だったようです。アメリカ目線で書かれた記事なので、首都を主語にして「ワシントンはXXすべきだ」という論調が見受けられます。

www.foreignaffairsj.co.jp

12か月で税込24,000円です。

1年雑誌を取ってみて、結論から言うと、この雑誌を読んだからといって国際政治に明るくなれる、無限の世界に楔を打てるような、体系立てて理解できるような感覚は得られなかったです。毎月9もしくは10本論文が載っているのですが、ちゃんと読めるのはそのうちせいぜい1,2本です。1,2本しか読めない、のはもちろんボリュームがそれなりにあることと、やはり土地勘がなく内容が入って来ないからだと思います。例えばアフガン、イスラム国、ベネズエラ、ミャンマー・・・どの国もそれなりに国内・国外政治の課題が多い印象はあるものの、自分に当事者意識がないため字面を追うだけになってしまう、そんな感じです。

一方で、自分は普段環境・エネルギー周りの日本語記事に触れることが多いので、それらとフォーリンアフェアーズの当該分野の記事を比べてみて、新たな視点だなと感じることもいくつかありました。これはフォーリンアフェアーズが日本語訳であるという点も大きいです。昨今web翻訳ツールが発達しているので英語記事を読む障壁はだんだん下がっているのですが、やはり訳すのは手間で、その点日本語で読めるのはよいですね。

この1年間で印象に残った論文、国際情勢と環境・エネルギーに関する3本を紹介します。

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2021年8月の論文です。米国のコロニアル・パイプラインへのランサム攻撃を引き合いに出し、再生可能エネルギー由来電力の普及によるグリッドの拡大とサイバー攻撃リスクの高まりを解説したもの。サイバー空間での国際ルールの確立の必要性を主張する。

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2022年1月の論文です。クリーンエネルギーへの移行により湾岸の産油国はますます市場シェアを高めることに対する懸念と、クリーンエネルギーで覇権を得るために何をすべきかを説いている。後者の一要素として、クリーンエネルギーの基準設定力が挙げられており、日本は水素やアンモニアの国際取引に早くから取り組む国の一つとして紹介されている。

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2022年3月の論文です。世界中で拡大するESG報告は、政治的なリーダーシップの空白を反映したものという論調が印象的です。企業に情報開示を促す動きが加速しているものの、それらの義務化はまだ途上であり、開示する側も評価する側も市場が担っている。フェイスブックなどを引き合いに出し、この重要な意思決定を民間企業に委ねてよいのか。