Goodな生活

経済学→環境コンサル→データサイエンティスト

『組織化の社会心理学』多義性の削減とGo cover faces

初めて手に取ったのは大学時代。急に思い出して読みたくなった。特に印象深いのは以下の2点。

多義性の削減

組織化(organizing)とは意識的な相互連結行動(interlocked behaviors)によって多義性(equivocality)を削減するのに妥当と皆が思う文法と定義される

つまり組織化、会社やグループやコミュニティなど複数人でチームを形成することは多義性(=あいまいさ)の削減である。多様性は昨今よく耳にするが多義性はやや耳慣れない。そしてよく「多様性が大事だ」のような言葉を目にするが、とすると今まで我々は多様性をないがしろにしてきたのか、という気分になる。共通の目的やルールを共有することで成果を出す。一つ思ったのは多義性(equivocality)の削減を進めることで、結果的に組織の多様性(diversity)は担保されるのではないか。会社の求めるスキルや経験をどんどんそぎ落としていけば、形式的な、人種や出自や家族構成や宗教などデモグラフィックな要因は意味をなさなくなるのではないか。逆に言うと多義性を削減しきれてない組織が、何やっていいか分からないから多様性を担保しよう、などと標榜しているような気がする。広げるのではなく削減が大事なのではないだろうか。

Go cover faces

もう一つは本書で紹介されているMurray Davis(1971)による社会科学の「おもしろい仮説」を12のカテゴリーに整理したもの。これは色んなジャンルの研究に当てはまる。

  1. 不偏性(Generalization)
  2. 組織(Organization)
  3. 因果性(Causation)
  4. 反対性(Opposition)
  5. 共変動性(Co-variance)
  6. 共存性(Co-existence)
  7. 相関性(Co-relation)
  8. 機能性(Function)
  9. 抽象性(Abstraction)
  10. 複合性(Composition)
  11. 評価性(Evaluation)
  12. 安定性(Stability)

データサイエンスの観点から見ると、因果性、共変動性、相関性はまさに分析の目的に近い。個人的に一番面白いのは評価性。ある文脈では良しとされるものが別の文脈だと悪になる。地球環境のために再生可能エネルギーの導入を進めた結果、例えば電池の原料の鉱物資源が枯渇してしまう。世の中の評価軸に疑問を投げかけるような、そういう分析をやりたい。