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地表面積あたりのエネルギー密度の比較

2018年に発表の米国の論文。エネルギー種別の地表面積あたりのエネルギー密度を推計した研究。

John van Zalk, Paul Behrens,The spatial extent of renewable and non-renewable power generation: A review and meta-analysis of power densities and their application in the U.S.,Energy Policy,Volume 123,2018,Pages 83-91

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Jhon van Zalk and P. Behrens (2018) Fig.2

上図は一次エネルギー種別のエネルギー密度(W/㎡)’(対数値)の箱ひげ図を示す。

まず天然ガス、原子力、石油、石炭等の化石燃料が上位に位置し、太陽光、地熱、風力、水力、バイオマス等再エネは押しなべて下位に位置する。水力のばらつきが大きいのは容量の巨大なダムが平均値を下げているためか。化石燃料や原子力と比べて、再エネの方が同じ熱量を得るために必要な面積が大きいことが分かる。

気を付けるべきは、この比較にはエネルギーの調達可能性(手に入りやすさ)は加味されていない。例え面積が小さいと言っても、天然ガスを供給地から需要地に運ぶまでの輸送やエネルギー転換の手間、もちろんCO2排出量も考慮されていないこと。

地球表面に達する太陽エネルギー約1.0kW/㎡なのでスケールが異なるのが違和感がある。