Goodな生活

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データサイエンスと弦楽器を探究する

『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』


自尊心のなさこそが、沖縄が貧しい根本の原因であると、筆者は繰り返す。沖縄の貧困の理由を、県内の1次、2次産業比率の低さ、補助金への依存等の経済・社会構造ではなく、沖縄人の内面・パーソナリティから迫る。先月読んだ新書は沖縄の現代の政治と経済に関する話題であり、こちらは沖縄に住む人の内面、パーソナリティにフォーカスを当てたもの。自尊心がないとは、自分を大切にできないことを意味する。自尊心がないため、現状維持を好み、変化やイノベーションを受け入れることができない。同調圧力に屈し、挑戦しない。

以前那覇を訪問した際、現地の方から「ゆいまーる」について聞いたことがある。ゆいまーるとは元々は農家間の共同作業を指す言葉だったが、それが地縁や血縁にも転じて使われるようになっているらしい。「ゆいまーる」は、例えば事業が頓挫したときにお互いに助け合うセーフティネットのような面もある一方、親子間での共依存関係も助長しているらしい。ゆいまーるが強いゆえ、助け合いを超えた依存関係が生じてしまう。引きこもり男性が多い原因の一つは、高齢な親が彼らを甘やかしているからだと聞いた。

沖縄に限った話ではないが、自尊心が低すぎると貧しくなる、という論理は理解できる。自分は無力だと認識し、ある種のマゾヒズムを持ち、悪い労働条件を受け入れる。短期的にはその姿勢は競争力になるかもしれないが、長い目で見るとお金を稼げはしないだろう。ゆいまーるは貧しい社会を共同して乗り越えるための知恵というより、自尊心の低さを生み、それを再生産する原因になってしまっているのかもしれない。

同調圧力を比べる何か妥当なアンケートや指標はないのだろうか?本土と沖縄を比べると後者の方が同調圧力が強いのかもしれない。しかし海外と日本を比べると同じく後者の同調圧力は強いと言われている。結局相対的なものでしかなく、この地域は絶対的に同調圧力が強い、なんて言えない。