Goodな生活

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データサイエンスと弦楽器を探究する

データサイエンティストの職務要件は厳密か

今回データサイエンティストに職種を絞って*1転職活動を行いました。職務要件はどれぐらい厳しいものなのか、職務要件を満たすスキルや経験がない場合にも選考を進めることができるのか、自分の職歴や面接を受けた4社の面接内容を元に考えてみます。

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大前提として書類選考は機能している

大前提として、書類選考というスクリーニングは機能していると思います。新卒の就活とは違い、未経験者歓迎の求人は少ない印象。何かしらの関連業務の経験が求められます。基本的に書類選考だと合格・不合格の2通りの結果しか通知されません。私が応募した中には、丁寧に不合格の理由を教えてくれる企業もあり「求めるスキルと現職の職務経験が合致しない」という当たり前の回答をいただきました。繰り返しになりますが、新卒の就活ではないため学生時代の専攻云々ではなく、現職で何をやっているかが重要なんだと思います。

求人票と面接内容

コンサルティング会社(その1)

こちらは一次面接に合格した会社です。

【必須】下記いずれかの業務経験
SQLPython、R等の言語経験
統計学
・データアナリティクスソリューションの開発プロジェクト参画
・大量データのハンドリングを伴うBIシステム開発プロジェクト参画
・データサイエンティストとしての経験(専攻、プロジェクト経験、業界団体への所属など)
【歓迎】
Power BIツールでのデータ分析経験

必須要件の中だと、現職でRとPythonは使用経験有。SQLは経験なし。*2統計学は統計検定の自習ぐらい。ソリューションの開発、BIシステム開発、データサイエンティストとしての経験はゼロです。

面接では現職のプロジェクトでのRやPythonの活用方法、自然言語処理の実装有無等を質問されました。システム開発関連の仕事はやったことがないと伝えました。もし私にこれらの経験があれば別のポジションが用意されたのかもしれません。当初は幅広く統計分析を行う仕事かと思ったものの、面接を進めるうちにかなり業種に特化した分析(異常値の検出等)だと分かりました。

コンサルティング会社(その2)

続いて同じくコンサルティング会社のデータサイエンティストの求人です。こちらも一次面接合格です。

【必須要件】
以下のいずれかの業務に関する1年以上の実務経験
データマイニング業務
SQL/データベース関連の実務
・データベース系プログラミング
CRM、DWH、BI等のシステム構築、ユーザ要件の組込み

必須要件の2、3、4ポツ目の業務経験はゼロ。1ポツ目のデータマイニングは微妙なところです。私自身そこまで広範囲は知識を持ち合わせている訳ではないので、厳密に言うと要件を満たしていないです。

面接ではデータベース(システム)構築の経験有無、機械学習の実装有無、RやPythonでよく使うライブラリ名等を聞かれました。また普段使用している参考文献の話にもなり、もしました。去年買ったRのdplyrの本やオライリーの赤い本も例に出して話しました。求人票からは読み取れませんでしたが、この企業の普段の業務は機械学習がかなりの割合を占めるらしいです。ただし機械学習については入社してから研修やプロジェクトを学んでくれればよいとのことでした。

事業会社(その1)

続いて事業会社です。こちらも一次面接合格です。

【必須】下記のいずれか
・データ分析の業務経験
機械学習関連分野での開発経験
・データサイエンス分野での研究開発経験

【歓迎】
自然言語処理の開発経験
・大規模データ処理技術を用いたシステム開発経験
・海外ベンダーとの業務経験

必須要件のうち、1ポツ目のデータ分析での業務経験のみ有、他はなしです。

面接では分析能力・経験よりも、論理的思考力やコミュニケーション能力を問われている感じがしました。プログラミング言語の話も一切出ませんでした。社内のセールス部隊向けに、分析を請け負うような部署らしく、まだ歴史も浅く人員拡充中とのこと。研修制度が充実しているので、統計分析や機械学習については、入社後に学んでくれたら問題ないと言われました。

事業会社(その2)

こちらも一次面接合格です。

【必須】
・2年以上のデータ分析・モデリングの設計・開発経験 
・時系列データ分析、ベイズモデリング機械学習などの分野の一つ以上の分野のアルゴリズム・モデルを精通すること
・優れた技術洞察力・思考力・問題の解決力

【歓迎】
・情報処理分野の修士以上の学位
・時系列分析・機械学習分野の論文の発表経験

必須要件のうち、1ポツ目のデータ分析のみ有。他の経験は無しです。
「一つの分野以上のアルゴリズム・モデルに精通」と書かれているだけあって、かなり専門性を求められる仕事でした。2次面接では、事前に配布された機会学習の課題論文について、論文のモデルをいかに実務に応用するかをディスカッションしました。ほとんど研究職です。お金をもらって研究できると言えば聞こえはいいのですが、新規性を求められるが故のプレッシャーに耐えられなくなり、部署異動を希望する人も多いそうです。面接を受けてみて「私などお呼びではなかったな」と気づきました。

日頃から転職先の要件を意識することが要諦か

どんな業種や職種に転職するにしても、やはり職務要件を満たす経験の有無は重要です。なるべく在職中つまり現職の業務の中で、求められる経験を積んでおくべきだと思いました。今回のようなデータサイエンティストの場合だと、例えばExcelで行う作業をRやPythonを使ってやってみる。これは個人でできますね。システム開発やデータベース構築等のプロジェクトにメンバーとして混ぜてもらうのもよいのではないでしょうか。必ずしも自分が要件を定義したりコードを書く作業を担当せずとも、プロジェクトに参加することで見えてくるものがあるはずですし、これも業務の経験です。逆にあまりやっても転職で有利にはならないだろうなと感じたのが、機械学習等のオンラインコンテンツの受講です。コンテンツ自体に意味がないと言っているのではなく、あくまで転職活動において、です。高度な専門性を求められる仕事の場合はそもそもコンテンツで学べる知識はデフォルトで必要ですし、異業種出身・未経験者を多く採用している会社であれば入社後に研修の機会を通して学ぶタイミングはあると思います。要はオンラインでの勉強より実務経験に勝るものはなく、他社との差別化にならないのだと思います。読んでいただきありがとうございました。

*1:と言いながらもデータアナリストも含みます

*2:これって事業会社の人が顧客データの管理等に使うものなのでしょうか?今一つこのツールを使う場面がピンと来ません