Goodな生活

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環境エネルギー分野のシンクタンク職員です。統計学や計量経済学の学習メモ、読んだ本や映画、たまに登山や音楽の話。

なぜ日本人は蒸留酒を薄めて飲むのか

www.sommelier.jp

日本ソムリエ協会の例会セミナーに行ってきました

初参加です。私はソムリエ協会の会員ではないため、セミナーには一般参加です。今回は、2時間で9種類の焼酎のテイスティングと解説を行うものです。参加費は6,000円と決して安い値段ではありませんが、お酒の歴史や香りの化学を勉強できる機会は貴重です。一回は行ってみても損はないと思います。

ソムリエといっても扱うお酒はワインだけではなく、最近は日本酒や焼酎をテーマにしたセミナーも多いらしいです。ワインと言えばフランスが王様、という序列(価値観?)は依然としてあるものの、各地域の地酒の良さを再認識しようというトレンドも相まって、日本酒や焼酎が注目されているのだとか。。。

ちなみにソムリエ協会の会費は、入会費 10,000円、年会費 15,000円です。27歳以下の人は初年度の入会費・年会費は無料です。

例会セミナーは、北海道や沖縄、大阪等日本各地で開催されているみたいなので、旅行先でご当地の会に参加するのも楽しそう。
どうするかな。

以下、当日のセミナーのメモです。

焼酎を水やお茶で割る不思議

1500年代の宮大工の手記には「この(けちな)棟梁は焼酎も飲ませてくれない」と書かれている。当時から焼酎は庶民の酒として広く普及していたことが伺える。焼酎を水やお茶で割る日本の飲み方は外国人にとっては不思議らしい。なぜなら諸外国では蒸留酒は多額の酒税のかかるぜいたく品である。そのような高価な酒を薄めるなんてもったいないと感じるのも仕方ない。

焼酎を水やお茶で割るのにはいくつかの理由がある。まず、焼酎は伝統的に常圧蒸留で製造されてきた*1ため、水やお茶で薄めても十分に匂いが強い。もう一つは、食事中に飲む、温めて飲む、といった醸造酒のような飲み方が好まれてきたため醸造酒と言えば日本酒である。日本酒の製造が難しい地域において、庶民が日本酒に代わる酒を、と造ったのが焼酎であり、その地域は焼酎の名前、壱岐焼酎薩摩焼酎球磨焼酎琉球泡盛にも表れている。

食事とともに焼酎を飲むというスタイルが普及したため、様々なフードペアリング(酒と食べ物の組み合わせ)が独自に発展した。世界の蒸留酒には、白酒(パイチョウ、中国)、シュナップス(ドイツ)、カルバドス(フランス)、コニャック、アクアビットウォッカ、等様々な種類があるが、どの酒も薄めて飲むことはない。フランス料理のコースでは、グラニ*2と呼ばれるカルバドスのシャーベットを肉料理の前に食べる。これは食欲増進のためだと説明されることがあるものの、元々は消化促進剤の機能を果たすものだったらしい。なのでフルーツアイス等糖分を含むシャーベットは本来のグラニテの機能とは異なるものになる。*3

焼酎の匂い

焼酎の匂い、うまみを理解するポイントはフーゼル油らしい。いわゆる発酵したガスの匂い。フーゼル油はイソブタノール(カビの匂い)、イソアミルアルコール等高級アルコール類の混合物である。これらは水よりも沸点が高いので、蒸留を続けるうちに残るもの。特に米焼酎の場合、日本酒用に精米する(磨く)酒米と違い、多くの部分を残したまま使う。したがって、ロイシン、イソロイシンが米に残ったままになり、これがフーゼル油の原料になる。フーゼル油の他にも、都市ガスの腐臭に使われるメルカプタンの匂いも特徴。

与那国島の花酒と洗骨

与那国島で造られる焼酎花酒は、島の人々が風葬される際に使われる。風葬とは、遺体をお墓や穴の中に安置し、雨風に晒すことで風化させる方法らしい。
棺桶の中には遺体とともに焼酎を入れ、7年後、風化が終わった遺体(骨)を焼酎で洗う。残った焼酎(古酒)は遺族でいただく。これは洗骨と呼ばれ、今でも与那国島で行われているらしい。

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セミナー終了後、会場のホテルの喫茶店にて。

*1:減圧蒸留法もある。これはポットの中の気圧を下げることで、沸点を低くし、低い温度で蒸留する。気圧を極端に下げ、勝手に気化する状態なのがフリーズドライ食品。

*2:別名トゥルーノルマン

*3:飲食店での勤務経験のある友人曰く、グラニテは料理の出来上がりが遅れた際に間を持たせるために出すこともあるらしい。そもそも蒸留酒に消化促進の機能などあるのか、疑問。