Goodな生活

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環境エネルギー分野のシンクタンク職員です。統計学や計量経済学の学習メモ、読んだ本や映画、たまに登山や音楽の話。

【ドイツ5日目】バイエルン国立歌劇場

ドイツ5日目。ミュンヘン最後の夜。 1月4日(土)の締めくくりは人生初のオペラ鑑賞。前日、友人にネットでチケットを予約してもらった。

チケット代は1階、上階の階数別に7,8種類設定されている。予約したのは1番安い(確か10€程度)最上階の席。日本の劇団四季のチケットだと1万円は下らないので、それに比べると破格。18時開始。前半後半の2部構成。15分前に劇場に到着し、クロークに上着と荷物を預ける。

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受付を済ませ場内へ

本日の題目は「雪の女王Snow Queen)」 。前日にYouTubeでダイジェスト版のアニメを予習。原作はアンデルセン童話。主人公のゲルダ(女の子)が雪の女王に洗脳され捕らえられたケイ(男の子)を救出する話。ゲルダ雪の女王の住む城を目指し冒険に出かける。

オペラが始まった。ステージ前面にはオーケストラ、ステージ上部にはドイツ語と英語の字幕。役者のセリフは英語。まあ何も聞き取れない。一応自席には椅子もあるが、かなり奥まっており座ったままだと何も見えない。前半戦は最初から最後まで手すりに足をかけ、身を乗り出しながらステージに目を凝らした。とても迫力のある歌声と音楽。 「上演中の咳や携帯の着信は怒られる」と事前に聞いていたので、苦しい体勢をとりながらも音が出ないようこらえる。

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両端の席は関係者用か。台本のようなものを手にした人が

前の列のカップルが喋っているのを見かね、後ろの列のおじさんが注意した。どうやらこのおじさん、ステージを見ず音だけを集中して聞いている様子。玄人の楽しみ方なのか。私語があると気が散ってしまうのだろう。

ゲルダとケイの幼少期のくだりを過ぎた途端に、話についていけなくなった。ケイは終始具合が悪いらしく、病院のベッドの上で眠っている。そのまわりをガスマスクを付けた医者や看護師が取り囲む。ゲルダはケイの不燗を嘆く。彼女は雪の女王の城に向かっているのか、はたまた夢と現実の間を彷徨っているのか。冒険の進捗はどうなっているのか。1番の問題は、一体誰が雪の女王だか分らないことだ。字幕を追う限りでは、体格の良いおじさんが女王を演じている。だが同時におじさんは悪魔のような見た目でトナカイ役もやっている。「女王=おじさん=トナカイ」(?)。合点がいかない。理解するのを諦めた。

今思うと「雪の女王」はある固有の人格を持つ存在、というよりも孤独な権力者や権力から逃れられない人のメタファーだったのかもしれない。

1時間ちょっとで前半部終了。ここから休憩時間。スーツ・ドレスで着飾った老若男女がワインを片手に会話を楽しんでいる。天井にはシャンデリア。上流階級の遊びに紛れ込んだよう。ドイツ人男性はこういう場面でスーツを着るようだ。

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豪華絢爛

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真ん中の箱はVIP席とかなんとか

休憩時間の終わる直前、周りを気にしながら席に着く人たち。どうやらチケット代の安い席を予約しておき、前半分をその席で鑑賞し、休憩時間に空席を見つけ、後半部は良い席で鑑賞する人が結構いるらしい。

後半部も相変わらず話についていけなかった。今回の雪の女王、現代風のアレンジが効いており、前日YouTubeで見たような冒険證ではない。貴婦人も海賊も賢者も出てこない。ゲルダのレベルが上がっていく様子もない。

1時間ほど経ち、後半部も終了。ケイは最後まで顔が真っ白だったが、にこにこしていたので何かしら良い結末を迎えたのだと思う。役者が舞台袖からぞろぞろと登場し、ステージいっぱいに広がり、挨拶。メインキャラクターの俳優、オーケストラの指揮者、監督が1人ずつステージ前方に出て、拍手喝采に応える。達成感に溢れた誇らしい顔つきである。彼らはとても重要な仕事をやり遂げた、そして観客はそれに惜しみない賞賛を送っていた。話は分からなかったが、とても幸せな気分になるエンドロールだった。