Goodな生活

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環境エネルギー分野のシンクタンク職員です。統計学や計量経済学の学習メモ、読んだ本や映画、たまに登山や音楽の話。

複素数の性質(ド・モアブルの定理)【第327回数学検定1級】

はじめに

先週の日曜日、数学検定を受験した。研究を続ける上での基礎体力として数学力を磨くことは必須である。個人で学習を進める上での目安や目標があった方が身に入ると思い、受験を決めた。

受験後に解き方を調べたため、備忘のためのメモを書く。

問題

問題
 {z = \cos \frac{2\pi}{2018} + \sin \frac{2\pi}{2018} } が与えられたとき、以下の値を求めよ。


 {
 \begin{eqnarray}
(1-z)(1-z^2) \cdots (1-z^{2016})(1-z^{2017}) \tag{1} \\
\frac{1}{1-z} + \frac{1}{1-z^2} + \cdots + \frac{1}{1-z^{2016}} + \frac{1}{1-z^{2017}} \tag{2} \\
\end{eqnarray}
}

解答(1)

(1)はドモアブルの定理を利用する。
まず方程式、x^{2018}=1を考える。1を左辺に移行し、多項式の形で表す。

 {
 \begin{eqnarray}
(x-1)(x-z) \cdots (x-z^{2016})(x-z^{2017}) = 0 \\
x^{2018} - 1 = (x-1)(x-z) \cdots (x-z^{2016})(x-z^{2017}) 
\end{eqnarray}
}

両辺をx-1で割る。

 {
 \begin{eqnarray}
\frac{x^{2018} - 1}{x-1} &=& (x-z)(x-z^2) \cdots (x-z^{2016})(x-z^{2017}) \\
(1 + x + x^2 + \cdots + x^{2017} ) &=& (x-z)(x-z^2) \cdots (x-z^{2016})(x-z^{2017})
\end{eqnarray}
}

無限等比級数の和の性質を用いた。

ここでx=1 を上式に代入すると、

 {
 \begin{eqnarray}
2018 &=& (1-z)(1-z^2) \cdots (1-z^{2016})(1-z^{2017})
\end{eqnarray}
}

が成立する。したがって(1)の答えは2018となる。

途中式ではx=1, z, z^2, \cdots z^{2017}x^{2018} = 1の解であることを用いている。これはドモアブルの定理により、与えられた複素数に2018の整数倍を乗じると1となるためである。

解答(2)

(1)で得られたz^{2018} = 1の関係式を用いる。両辺をzで割り、z^{2017} = \frac{1}{z}, z^{2016} = \frac{1}{z^2}と表記する。

 {
 \begin{eqnarray} 
\frac{1}{1-z} + \frac{1}{1-z^2} + \cdots \frac{1}{1-z^{2016}} + \frac{1}{1-z^{2017}} 
&=& \frac{1}{1-z} + \frac{1}{1-z^2} + \cdots + \frac{1}{1-\frac{1}{z^2}} + \frac{1}{1-\frac{1}{z}} \\
&=& \frac{1}{1-z} + \frac{1}{1-z^2} + \cdots + \frac{z^2}{z^2 - 1} + \frac{z}{z - 1} \\
&=& 1008 + \frac{z^{1009}}{z^{1009} - 1} \\
&=& \frac{2017}{2}

\end{eqnarray}
}

したがって(2)の答えは\frac{2017}{2}となる。