最小二乗推定量の平均・分散の導出について。
分散と共分散
続いて、の分散および共分散を求める。計算の便宜上、の分散から順番に求める。
(9)では(8)の結果を用いている。
共分散がマイナスになるのは、とのうち片方がプラスに振れるともう片方はマイナスに振れるため。
補足(未知の分散の置換)
(8),(9),(10)は誤差項の標準偏差を含む。しかしは観察できない確率変数であるため、(1)の残差の推定値を代わりに用いる。
(11)は誤差項の不偏分散(標本分散)である。残差の二乗和をで割るのは不偏性を担保するためである。それゆえである。
標本分散の不偏性については別の記事で扱った。
参考文献
- 作者:黒住 英司
- 発売日: 2016/03/04
- メディア: 単行本